保護司と会う

夜勤明け。だらだらと職場に居残り、仕事が繁忙期になり誰も構ってくれなくなったので15時近く帰路に着く。
イヤな事は早めに片付けるが良かろうと、ファミレスに保護司を呼びつける。(なんて偉そうな)
明け特有の眠気と開放感で、些か攻撃的かつ深慮不能で暴虐無人の精神状態。


お定まりの挨拶の後、不毛な会話が始まる。
「お電話で、お話したと思うんですが」
「えぇ、ですからその確認に」


「引受人が居れば、仮釈放が必ず有るとは限らないんですよね」
「そうです」
「であれば、予定が未定である事に対し、決定は不可能です」

「仮釈放の際には、出迎えが必要なのですが、どうなさいますか」
「今の時点では行くつもりはありません。「日程が決まるのは何日くらい前ですか?」
「2週間ほどです」
「であれば、今の仕事を続けている場合、既にシフトが出ています。調整はできません」
それにだ。仮釈放には引受人が必須なら、引受人が決まっていなければ仮釈放は無いはずだ。
であれば、現状で出迎え意思の有無を何故尋ねる。意思確認の期限もへったくれも無かろう。


「私はまだ、引受人になるとは決めていません。ですから仮釈放の出迎えに関しては答える必要が無いと思いますが」
「いや、でもお気持ちだけでも」
「予定が未定である事に対し、決定は不可能です」


前回から今までに、面会に行ったか・当人から手紙は来たか出したかと聞くから、
面会には行っておらず、手紙が来たのは2〜3通で、出したのは1〜2通だと答える。
「来たのは2通で、出したのは2通。それは確実な数字ですね?」
「お伝えした通りです。大体そのくらいだと思います」
「半年間の事なのに、覚えていないんですか?」
「覚えておりません。カウントしているわけでは無いので。申し訳ありませんが」
「定かで無いと困るんですが」
「覚えておりませんので」
どうしても正確な数字が必要なら、直接刑務所に連絡して記録を確かめたら良かろう。


「何故『未定』なんですか」
「半年の間に状況が変わるかもしれませんので。その為の意向調査ではないんですか?」
「でもね、一緒に住む意思は無い・出迎えにも行かないなら、『未定』では無く『拒否』だと思うんですけどね」
「半年の間に状況が変わるかもしれませんので。その為の意向調査ではないんですか?」
「でもそうすると、又半年後に同じ事を伺うことになるかもしれませんよ」
「?“かも”というのはどういう意味ですか?調査が無い可能性があるんですか?それは誰が決めるんですか?半年毎が規定ではないんですか?」
「いや、それはわかりません。決定は当局ですから。有るかもしれないし、無いかもしれない」
「?前回、『未定』である以上は継続だと伺ったと思いますが。「中断する場合の根拠は何ですか?」
「いや、ですからそれは私達が決める事では無いので」
そのくらい把握しててくれよ。
どうにも解らん。中断が有り得るなら何の為の意向調査なんだ?


今回はこちらがオウムとなり、同じフレーズを繰り返す。
30分位話していただろうか。
「あなたとは常識的な話が出来ないようだ」と言われるに至り。


だから電話で、会っても話は進展しないと断っただろうが。


面談終了(?)後、どうしても言いたかったことを言う。
「直接会わなければならないと云うのは規則なんですか」
「そうです。そうです。規則です」
「法律に基づく規則ですか?」
「えー。そうです」
「何の法律ですか。「どの辺りの条項ですか」
「それはちょっと解らないんですが」
「であれば結構です。ご足労頂きましてありがとうございました」
すみません。イヤラシイことを言ってみたかっただけなんです。
“当然答えるべき”“決定すべき”って威圧感が大嫌いなんです。
不運なクジ引いたと思って、飲めるなら酒でも飲んで、悪態つきまくって下さい。