庭の草木

冬が来る。
冬が来れば草や木は葉を落とし、庭の様子もさっぱりすると思うんだが、来たる春、そうそう大枚叩いて庭師さんに来てもらうわけにもいかない経済事情となり。時期が違うのは承知の上で、素人剪定を試みる。
先ずは6月に顔よりも大きな花を付けた紫陽花から行きましょうと思い切りをつけ、えいやと鋏を持ち、痛いねごめんねと呟きながら、ばさばさと枝を落とした。
下草を抜いた。
八ツ手の上を払った。
何処からか種が飛んできたらしい若木を切った。
オシロイバナを引き拭いた。


子が孵ったばかりの蜘蛛の巣。
特定の草にしか居ない虫。
少しの隙間に伸びる植物。
時間が経つごとに色々見えてきてしまってもうダメですもう切れません。


生き抜く事、増える事に専念している命なのに。
不公平だよね。同じ種類なのに切られたり切られなかったりするなんて。
抜かれた草は死んじゃうんだよね。
切られた先は枯れちゃうんだよね。
私は何も生産しないのにのうのうと生きていて、自分の都合勝手でいとも無造作に命を絶つ。住処を奪う。
ごめんなさいごめんなさい。
どうしたら良いか分からなくなって、半泣きになりながら家の中に戻った。


呼んでくれてありがとう
夜は重いね。でも情報収集には有益なのではないかな。